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2015年2月20日(金)
- 家づくりのあれこれ
- 耐震・耐久性
長期優良住宅とは
最近の新築住宅でよく聞く長期優良住宅。名称から想像して耐久性の高い住宅のことなんだろうなという想像はできるかと思いますが、では実際にどういった住宅なのか疑問に思ったことはないでしょうか?長期優良住宅とは「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」という法律に定められた基準を満たした住宅のことです。新築時の建物プランにおいて長期的に良い状態を保つように設計され、かつ新築後の維持管理や保全のし易さも計画するように基準が設けられています。
このように聞くと取り入れたくなる制度なのですが、この制度にはメリットとデメリットがあります。メリットとしては基準を満たすことにより、当然住宅の品質の向上が見込まれることです。しかし住宅の品質の向上には建築コストの上昇がついてきます。もう一つのメリットは税金の控除が受けられることです。長期優良住宅の認定を受ける最大のメリットはこの控除にあるといえるでしょう。デメリットは長期優良住宅の申請にコストがかかることや手続きに時間がかかってしまうことです。
長期優良住宅にすると建築コストが上昇する?
長期優良住宅の基準を満たすことで新築する住宅を長期にわたって良好な状態で使用できるようになります。長期優良住宅は設計時に100年程度の期間住宅を使用できる構造躯体として設計されており、また内装や設備についても維持管理のしやすさを確保するため維持管理等級という基準が設けられています。
実は、ある程度大手のハウスメーカーになれば標準で長期優良住宅の基準を満たしている場合が多いため長期優良住宅にすることによって建築コストが上昇するということはありません。ローコスト住宅や工務店の住宅で長期優良住宅の基準を満たしていない場合は長期優良住宅を満たすための設計に変更しなければなりません。これは思ったより建築コストが上昇してしまうことも多いようです。
長期優良住宅は税金の控除が受けられる
長期優良住宅は税金の控除を受けることができます。1つめは住宅ローン税額控除の拡充です。住宅ローンを借りると、10年間にわたって住宅ローン借入額の1%の税額控除を受けられる住宅ローン税額控除というものがあるのですが、平成26年~平成29年は一般の住宅だと最大が4000万円なのに対して、長期優良住宅では5000万円まで控除対象となります。5000万円以上の借り入れをする場合にはその差額1000万円に対して1%の10年分ですから、100万円分のお金が返ってくることになります。
ただし、これは税額控除なので、収入が充分にあり、控除を受けられるだけの税金を納めていることが条件になります。2つめは登録免許税、不動産取得税、固定資産税といった新築時にかかる税金が軽減されます。この中で大きいのは固定資産税の軽減です。通常住宅を新築すると住宅にかかる固定資産税が3年間2分の1になるという特例があるのですが、長期優良住宅だとこれが5年間になります。
3つめは現金での購入の場合に投資型減税という制度を受けられます。これは住宅ローン税額控除を利用できない分、長期優良住宅に関しては1年間、最大50万円分の所得税の控除を受けられる制度です。なお1年間で控除しきれない場合は翌年度に繰り越されます。
長期優良住宅の申請にはコストがかかる
長期優良住宅にするとさまざまな税制のメリットが受けられることは前に述べました。また、最近の住宅メーカーはほとんどが標準で長期優良住宅の基準を満たしていますが、実は基準を満たしていても認定を受けていない住宅が結構あるのです。なぜなら長期優良住宅の申請には結構なコストがかかってしまうことと、手続きに時間がかかってしまうからです。
長期優良住宅の申請はハウスメーカー経由で行うと数万円~数十万円かかってしまいます。また手続きに余分に2週間~1カ月ほど掛かることもあり、住宅ローンを利用している場合には延びてしまった分余分にコストが掛かってしまうということもあります。このコストと税制上のメリットを比較して認定をうけるかどうかを決めるのです。このほかに、長期優良住宅にすると売却時に資産価値がつきやすいとか、逆に長期優良住宅にすることによって固定資産税の減価償却がされにくくなり、いつまでも固定資産税が安くならないといった面も検討材料になるでしょう。
まとめ
以上のように長期優良住宅にはメリットとデメリットがあり、その認定を受けるかどうかを考える必要があります。認定を受けるかどうかの違いは現在では税制上のメリットが主です。住宅ローンの借り入れが大きく、年収が高い方などは認定を受けたほうが間違いなくプラスになります。
住宅自体が長期優良住宅の基準を満たしていれば、当然認定を受けなくても長期に渡って使用できる住宅となります。また、認定を受けるかどうかに関わらず住宅を長持ちさせるには長期間にわたってのメンテナンスが重要になります。長期優良住宅であることだけを求めるのではなく、新築時や購入時には建物の施工状況などをよく確認し、入居後はしっかりとメンテナンスを行っていくことが長期にわたって利用できる住宅に必要なことです。
長期優良住宅についての疑問や、各種ご相談、お見積など、なんでもお気軽にご相談ください。