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2007年2月27日(火)

  • 現場レポート

日本家屋の記憶④<ようこそ、茶室へ>

茶室が気になった時期がありました。 在りあわせの素材で造られた簡素な小さな茶庵は 神社仏閣の文化財のなかにあってもひっそりとした佇まいで およそ建築の部類に入りそうもないとほとんど気にも止めないでしょう。日本人でさえそういう具合であれば外人さんなどは尚更 理解不能だと思います。 果かない小屋以上には見えない。 、、、、、ところが蓋は開けてみないと分からない!(決してリフォームのことではありません。悪しからず。)一見控えめで奥ゆかしい意匠でありながら 実はこの小さな空間に日本の美学のエッセンスが詰まっていると誰が想像できるでしょう。さて その正体とは!! これ以上は無理でしょうというぐらいの質素な佇まいの対極にはデザインや設計に季節感・素材感を生かし 研ぎ澄まされた感性と繊細な感性が厳しく熟練された技に裏打ちされ 審美性は他の建造物では表現し得ない周到な造りであるといいます。 朽ちて土に還り また生まれて蘇える永遠性を持つ素材の使用、完全を求める人の心性を伸ばそうとしたり可能性を引き出すことに重きを置き、一軒の茶庵の意匠は 故意にシンメトリーで完結させずに未完の非対称を表し 人の想像力に委ねていく。「一期一会のもてなしの心」から求道の心、詫び・寂びの心まで和風住宅の真髄がここにあるらしいのです。 人と自然と家とが一体化し禅の思想や深い理念、宇宙観を見出してゆく空間だといいます。 、、、、、う~ん。深い。今日は渋くて甘い「茶」をしみじみ飲みたくなりました、、、、。 ティータイムを宇宙観にまで押し上げられる国など他にあったでしょうか。既に建築とか芸術の領域を超越していて なんとも「粋」な国ではありませんか?
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