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2024年2月26日(月)
- 建築さんぽ
遊牧民の家 ー伝統の暮らし―
遊牧民のご家庭に訪問しました。初めてモンゴルの地に着いた時、ここは私たちが経験している文化とは対極の文化という印象がありました。この地の夏と冬の寒暖差は70度、80度にも及ぶ厳しい自然環境だというのに、ほとんどが木とフェルトだけで作られたゲルという移動式住居に暮らす「住」だけでも、信じ難い。しかしながら衣・食・住のいずれをとっても無計画や不規則な手法どはなく、独自の移動方法、畜産技術、合理的システム形態などがこれまでの長い歴史の中に根ざしているといいます。屋内に案内されると、中央カウンター奥には神と崇められているチンギスハーンの像が飾られているのが目に入りました。必要不可欠な調度品なのだろう、乳製品を扱う革袋なども吊り下げられています。テーブルにはおもてなしの茶菓子が出揃っていて、馬乳酒と乳製品から作られた干しヨーグルト、小麦粉の揚げ菓子など、伝統的なものということでした。味は素朴で淡白。調味料使用があまり感じられず味付けが濃いという要素は全くないので、健康に良いだろうと。余談ですが、モンゴル相撲の勇者達を物語る写真が飾られていて、たまたま、その中の一人が日本で活躍した白鵬の父親でした。