兵庫県姫路市にある「書写山円教寺」は、「西国二十七番札所」でもあり、西の比叡山の異名もある山深い高台にあります。
静寂すぎて、ここまで登ると世界はここしかないのではないかという気さえします。
聞こえるのは鳥の鳴き声と木々の枝が風で擦れる音だけです。
一切の喧騒から解放されます。

創建は966年ということで、重要文化財指定の古き伽藍を見上げれば、1000年余りの歴史が目の前に迫ってきます。
それぞれの伽藍群には往時からの匂い立つような趣きがあり、絵になる風情は圧巻です。
絵になるといえば、この環境下は「ロケ地」に多用されています。
ハリウッド映画（2003年）「ラストサムライ」をさきがけに、NHK大河ドラマ「武蔵」、「軍師官兵衛」「駆け込み女と駆け出し男」「黒衣の刺客」「本能寺ホテル」「3月のライオン」
「関ケ原」等々が挙げられているようです。
ここでは、古き良き日本人の心と刻まれた歴史の縮図が五感に溢れて、麓に降りても、きっと感動が忘れられないでしょう。